激流戦隊北山・熊野川作戦報告書
<北山・熊野川ジェット船撃沈作戦>
〜 松坂牛肉弁当に激怒! 〜
[1998年秋季大遠征]
序
北山・熊野は、自然が非常に色濃い川だ。とくに田戸からの数キロは「瀞峡」と呼ばれ、両岸が断崖絶壁になっており絶景である。「カヌーライフ」の記事ではこの下からツーリングを開始していたが、はっきり言ってそれはもったいない! ぜひ田戸から下ってほしい。
[ 瀞ホテル玄関にて明日のチンを想ふ ]
田戸には「瀞ホテル」という古式ゆかしい旅館がある。「転覆隊」を読んだ方はご存知だと思うが、ここの宿はカヌーに理解がある。おれたちはここに泊まった。キャンプできそうな河原もあるが、このあたりは川幅が狭いので万一増水したらやばい。せっかくなのでここに泊まるほうがいいと思う。
ということで、場面はいきなり宿泊から一夜明けた田戸である。
川旅ダイジェスト:一日目
[ 瀞峡かるがも部隊 ]
「瀞ホテル」から河原に通じる長い階段からフネを降ろし出発である。河原にはジェット船でやってきた観光客がいっぱいいた。露店も出ていたので、名物「目張り寿司」を買う。
水の色はやや青みがかった緑色。濁ってはいるが汚い感じはない。おれたちが遠征したのは雨の直後だったので、多少濁りが濃かったのかもしれない。
下流の志古から瀞峡まではその景観ゆえ、たくさんの観光ジェット船が往来している。川はカーブが多いため崖の上に信号が取り付けられているほどだ。最初はジェット船が来ると焦ってしまうが、普通のパドリング技術があれば簡単にかわせる。波もそうたいしたことはない。くろ隊員が沈しなかったのだから、たいしたことないに決まってる。ただし、見通しの悪いカーブでは気をつけるほうがいいだろう。突然、ジェット船が現われることもある。これは、狭い瀬の中でも同様。この川はジェット船が通れるよう、川の中に水路を通している。ここを通れば絶対座礁しないのだが、ジェット船がいるときに通っちゃダメだ。おれたちはいちおう隊列を組んで、先頭は下流から来るジェット船に、最後尾は上流から来るやつにそれぞれ気を配って、発見時はホイッスルで合図しあっていた。
[ 泳ぐドレイ ]
さて、瀞峡を過ぎると、河原が多くなり民家も見えだす。1級程度のちょっとした早瀬がちょこちょこ現われる。そんな瀬のひとつで、初遠征だったタグチ・ドレイ(現・事務局長)に先頭を行かせてみることにした。それまでは隊長のおれが常にトップ位置だったのだ。
ドレイ、さっそうと0.5級の瀬に突入しかろやかにパドリング。そして瀬を過ぎたところで、反転しこちらにカメラを向けようとして....
ちーん!! 沈!!!
この後、泳ぐドレイを全員で取り囲んで、撮影攻めにした。
1日目は熊野川と合流するちょっと手前の河原で上陸、キャンプ。河原はあちこちにあるのでキャンプ地には困らない。天気予報で午後から晩にかけ雨が降るという予報だったのでタープを持っていったのだが、上陸と同時に降ってきた。幸い、風がなかったのでタープ下で快適なキャンプ。雨の河原もなかなかいいもんだ。
川旅ダイジェスト:二日目
[ 熊野川に揺蕩ふ激流戦隊 ]
2日目、出発。ほどなく熊野川と合流。はっきり言って水は茶色に濁っている(昨日の雨のせいか!?)。北山川の緑色の水としばらくケンカしたあと、やや茶色を薄めた。合流地点から1キロほどのところ、右手に大きな河原があったので上陸。このあたりに酒屋があるのだ。河原から道に上がる場所がわからずしばらくさ迷ったあと、偵察隊がビールと氷、そして魚肉ソーセージをゲットしてきた。
この川は食糧買い出しがほとんど不可能である。唯一できるとすれば、志古のジェット船乗り場だけだろう。ここは買いだしというか、食事になっちゃうんじゃないか!? 出発地点の田戸にも商店はいっさいないようだったので、おれたちはわざわざ新宮でビールと食糧を買い込んで上流までひーひー言いながら運んだのである。四万十川より不便だからね。
川の流れは速かった。増水のせいだろう。志古のジェット船乗り場を通過し、ようやく川は静かになった。
ジェット船対策の隊列を崩し、しばらくのんびり下る。そうすると、右側にクランクする 1.5級くらいのストレートな早瀬が現われた。喚声をあげて突入する。
実に爽快だ! するとまた瀬だ。それを越えるとまた瀬。
景色はいつのまにかのどかな河原風景から、両岸に巨大な岩がごろごろころがる奇岩地帯に変わっている。 けっこう速い流れの中につぎからつぎへと瀬が現われる。とはいえ、素直な流れなので誰も沈せず追随してくる。おもしろくねぇなあ。この流れなら一度沈するとえんえん流されてくれちゃうだろうに!!
[ 河原でだらだら ]
こんな調子で2〜3キロを一気に下ると、再び川は穏やかになり風景は断崖に変わってきた。まだ12時前なのだが、目的地点にしていた河原についたので上陸してしまうことにした。「小鹿」という地名のところだ。
ここの河原が最高によい。いままでキャンプした中で最もいい場所だろう。
フラットな玉砂利。石は大きくなく、かといって砂のようにテントに入ってくることもないジャストサイズ。寝心地最高。
やたら河原がでかい。
日照り良好。
数歩歩けば3日3晩焚火できるほどの大量の流木。
フネを上げてあとはビールやら本やらでだらだらと過ごした。実に快適。そういや、河原の端の岩場に行くと鹿の足跡があった。
気持ちよく焚火キャンプをした。
川旅ダイジェスト:三日目
翌朝3日目。
朝っぱらからビールを飲んでいると、カヤッカーが2人やってきた。大阪からいらしたそうだ。いっしょに行こうということになり 6名で出発。おれたちがビールを差し上げると、彼らはウィスキーのポケット瓶を差し出す。回し飲みだ。朝からハードリカーを胃に入れると、目の前の光景が黄色にかすむなぁ。
あいかわらず流れは速い。いくつかの早瀬を越えて河原に上陸。2人組ここで昼食をとるそうだが、おれたちは食糧がない。このまま先に進むことにして別れを告げた。
崖がなくなると風景が一気に広がった。川幅は大きく広がり流れもなくなってきた。海が見えてきた。最後の数キロを一気に漕ぎ新宮に到着。大きな橋の右岸に上陸した。
最後に残ったビールを飲んでほっと一息ついた....
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