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激流戦隊米代川作戦報告書

<米代川きりたんぽ作戦>

〜 日本海の荒波を目指せ! 〜


[2001年春季大遠征]


川旅ダイジェスト:一日目

 鷹ノ巣の市街地をちょっと離れたところにある橋のたもとから出発。メンバーは2人。隊長兼CEOのおれとタカノ居候である。なんか寂しい面子だ。
 北上川のようにいきなり川幅が広い。水は緑色だが臭いわけではないのでそう気にならない。流れは速く、川の中央に出るとフネはぐんぐん進んでいった。

[ 哀愁のハモニカ ]
 とりあえずビールを飲み、しばらく漂ったり漕いだりを繰り返す。町中から離れていき、両岸は野原やら林やら土手になるが、いわゆる河原はない。これも北上川みたいだ。0.2級くらいのさざ波のような瀬がときおり現われるが、ビール飲みながら漕がずに通過。瀞場になってもあいかわらず流れは速い。風景もたいして変わらない。

 単調である。ひたすら単調である。
 おれは気づいた。この流れ、この瀬のなさ、この単調さ。

 「米代川は日本のユーコンであるっ!!」
 (カヌーライフの記事で似たような発言があったな)

 そう思えば旅も楽しい。ふと岸を見るといつのまにか駅があったり、桜が咲いていたりする。時おりハーモニカを吹きながら、のんびり漕ぐことにした。




 阿仁川との合流地点に到着。思ったより狭い川幅の阿仁川はさすがに綺麗で、しかし水はとても冷たい。そこで一服していると、一隻の川船がやってきた。合流点あたりで止まると、親父が釣り竿を振りはじめた。遠めに見てもわかるほどでかいルアー(あるいは重り?)をつけている。

 「何が釣れるんですかぁーーーーっ?」
 「おう、ヤマメだぁっ!!」

 うそだ。

 あんなでかいルアーでヤマメが釣れるわけない。もうすぐ解禁になるサクラマスを狙ってるのだ。能代でも聞いたのだが、このへんの人たちは禁漁を承知で「例のあのサカナ」を釣りに行くらしい。

 釣れる気配のない親父を背にし出発。



[ きりたんぽ販売所 ]
 観光遊覧船乗り場が見えてきた。反対側の左岸に着岸。もっと広い河原を期待していたのだがとても狭い。とはいえ、テント張れるスペースはなんとかあるし、川からの高さもあるのでここをキャンプ地とした。
 ただ、向こう岸は「きみまち坂公園」という桜の名所であり「道の駅」もある。東北ゆえ遅咲きの桜がいまや満開で、すごい数の観光客がいるいるいる。おれたちを見下ろして不審に思っている人も相当いそうだが、こちらとしては桜を眺めながらビールを飲めるので、それくらいは我慢、我慢。

 晩飯に石狩鍋をやろうとしていたのだが、実は鷹ノ巣で肝心の味噌を買うのを忘れてしまった。昼飯も食いたいし、ウェットスーツから一度着替えたあと、平服でフネに乗り込み、対岸にフェリーグライド。呆れる観光客を後目に遊覧船乗り場の階段を昇り国道に出た。

 すごい人である。


 とりあえず「道の駅」に行き、蕎麦を食べた。つぎに売店で味噌を探すが見当たらない。あたりまえである。しばらくうろうろして目に飛び込んだもの。

 秋田名物きりたんぽ

 「これだ、これ!! 中に味噌も入ってる。これ買おう」

とおれ。居候タカノも反対しないので、なぜかきりたんぽを買ってしまった。
 同じく隣接しているコンビニでビールを買い足し、ついでにこれもなぜか「オレンジページ」を買って再びキャンプ地に戻った。

 夕方、晩飯にする。石狩きりたんぽ鍋という妙なメニューになってしまった。鍋じたいはまぁまぁうまかったが、きりたんぽは焼くのを怠ったため、あんまり旨くなかった。
 風がすごく強い。焚火もできないので、テントの中でえんえん酒を飲み就寝。


川旅ダイジェスト:二日目


[ 自分、不器用ですから ]
 翌朝、片付けを終え、再度対岸にフェリー。本日のビールと氷を購入した。ついでに、コンビニの店員さんにお願いしてゴミを捨てさせてもらった。

 旅はあいかわらず単調。人気もなくひたすら静かに川は流れる。本日も瀬はゼロ。

 お昼すぎ広大な河原に到着した。ゴール地点の能代よりはかなり手前なのだが、これより先はあまり河原がなさそうだったので、このへんでキャンプすることにした。

 もうひたすらヒマである。本読んだり楽器弾いたり酒飲んだり、しかしヒマをもてあましつつも夜になる。今日こそは焚火をと思ったのだが、またしても強風で、しかもものすごく寒い。しかたなく居候タカノのテントに行き、酒飲みながらラジオを聞くと「秋田県内陸の予想最低気温は5度」。うー、寒いわけだ。
 けっきょく、この晩もひたすら酒飲んで寝た。



川旅ダイジェスト:最終日


 3日目。今日は朝から曇っている。しかも、ちと寒い。今日はほんとうは能代まで行かなければならないのだが、能代近辺になると無茶苦茶川幅が広いのと、上陸地点がなさそうだったので(偵察済み)、もっと手前の鶴形で上がってしまうことに決定した。

 再び単調な旅。

 川幅はどんどん広がっていく。流れはあいかわらず速いのだが、こうでかいと漕いでも漕いでも風景が近付かないので、ちっとも進んでいる気がしない。

 やっぱりユーコンだ。

 しばらく行くと、川幅いっぱいにちょっとした堰があったので、右岸ぎりぎりでフネを降り歩いて通過した。

[ 心はもう居酒屋 ]
 そうしてさらに漕ぎ進む。出発から2時間弱、鶴形のあたりに近付いてきたが、岸には上がれそうな場所がない。葦は生えているし泥でぐちゃぐちゃ、薮だらけなのだ。強引に上がってみるが、道には通じてそうもなかったし、荷物を広げる場所もない。
 しょうがないので再び先に進むことにした。だんだん駅から離れてしまう。薮が土手に変わりしばらく行ったところに、田んぼの取水口があり、そこだけ階段になっている。すかさずフネから降りひきずり上げた。
 だーれもいない土手のたもとでフネを乾かし、荷物を広げる。

 単調な旅が終わった。遠くに冠雪した白神産地が見えた。
 ここから駅まで1キロ以上。重い荷物を運ばなければならない。はぁ、さっさと済ませてビール飲もうっと。




# 実につまんなそうな遠征だったように読みとれるが、実はその通り。こういう川はある程度の人数でにぎやかに下るか、旅そのものを楽しまないとダメです。ほんとに、全然、瀬はありません。


Copyright (C) 2001- MINatsuki(June Arai)
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